「お帰りなさいませ、様」
「ただいま、爺。今日はちょっと大人数になっちゃったけど、大丈夫かな?」
「宜しゅう御座いますよ。御友人様方ですね?」
「うん。本当は一人だけの予定だったんだけど、何故か…」
「爺は平気ですよ。さぁさ、お荷物をお運びいたしましょう。」
「お願いするよ。」
の家に着いた一行は、早々に接待を受けていた。
の変貌振りに驚いたのは約3名。
その三名以外は、家に仕えるメイドたちと仲良く話したりしている。
驚いて固まっている三名―常陸院ブラザーズとハルヒは辺りを見まわした。
「……良い所に住んでたんだねー、先輩。」
「だねー」
「…凄い…」
「こぉら!何してんだ、1年!」
目を丸くして立ち尽くしていた三人に気付いた環が声をかける。
環の声にようやくいつもの状態に戻った三人。
「お荷物をお持ち致します。」と聞こえて来た声に、ようやく傍にメイドが来ていたことに気付く。
ハルヒはまだ戸惑っていたが、ニコニコ笑っているメイドに負け、持っていた鞄を手渡した。
後ろに立っていた常陸院ブラザーズは、もう慣れたらしく、気軽にメイドに渡した。
「爺。俺の部屋に8人分の紅茶とお菓子か何か運んでもらえるかな」
「はい。いつものお紅茶で宜しいのですね?」
「うん。じゃあ、頼んだよ」
「はい。かしこまりました。」
は、自分の言葉に了承してお辞儀をし去っていく執事を見送った後、後ろを振り向いた。
「さて、お待たせ。皆、今日は泊まっていけるよね?」
「俺はもちろん泊まるぞ!里草」
「俺もお世話になろうかな」
「僕も泊まるー!ちゃんケーキあるー?」
「……俺も泊まる」
「「じゃー僕等も泊まろー」」
「ハルヒは?」
「自分は…」
「ねえー!早く部屋に行こう〜」
何か言おうとしたハルヒの声に、重なるように埴之塚が声を出した。
それに苦笑したは、「行こうか」と話を一旦切り上げて、自分の部屋へと皆を通した。
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「わー…」
「ゆっくりしてくれて構わないよ」
部屋に通された一行は、ドアの前で立ち止まった。
綺麗に整頓された、一人で使うには大き過ぎるであろう部屋の中。
大きめのベッドに勉強机、部屋の中央には大きなテーブルと椅子が置いてあった。
ドアの前で立ち尽くす一行―主に1年s―に苦笑しつつ、は着ていた上着を脱いだ。
クローゼットを開け、上着をハンガーに通してかけた後、クローゼットを閉めた。
ようやく部屋の中に入った一行は、自分勝手に寛ぎ始めた。
1年’sは物珍しそうに部屋の中を歩きまわり―ハルヒは巻き添えを食らってるようだが―
鳳と環は椅子に座って部の相談なんかを始めている。
埴之塚と銛之塚は、カーペットの上に直接座って何やら仲良さげに話していた。
はその光景に笑うと、ドアに近づいた。
「じゃあ、俺はちょっと準備してくるから。ここで待ってて」
「ああ」
「あ、後で直ぐにメイドが紅茶運んでくると思うから、来たら開けてあげてね」
そう言うと、は部屋を出て行った。
その事を了承したのは鳳だけで、環はハルヒの傍に行き、ちょっかいを出し始めていた。
暫く経った後、部屋をノックする音が聞こえた。
鳳がそれに返事をすると、ノブが回され、メイドが入って来た。
軽く会釈をしたメイドに、鳳も会釈し返す。
鳳の見ている目の前で、メイドは人数分のティーカップと紅茶の入ったポットをテーブルに置いた。
「お菓子の方は、後ほど様ご自身で持ってこられますので」とメイドは笑って言った。
全てを並べ終えたメイドは、軽くお辞儀をして部屋から出て行った。
紅茶のいい香りが部屋に充満する。
その香りにつられて、環たちは椅子に座った。
「…ちゃん遅いねー」
「そうだな。」
座っての帰りを待つ環たち。
しかし、静かに待つ事が苦手な一行
10分も経たないうちに、それぞれに行動をおこし始めた。
「次、殿の番だよー。」
「む。少し待て」
「待った無しだよ〜」
「うわーい!楽しい〜v」
「は、ハニー先輩!怒られますよ!?」
紅茶を注ぎ分けて、トランプを始める環と双子。
鳳はその光景を楽しそうに見学している。
ハルヒはのベッドに上がって、その上で跳ねている埴之塚を止めようとしていた。
その光景を銛之塚は黙って見ていた。
その頃、部屋を出たはキッチンへと向かっていた。
「…さてと、今日は簡単なお菓子でいいかな。」
などと呟きながら。
**途中コメント**
今回から主人公の家が舞台です。
しかし、2話くらいで終わる予定ですので、
暫しお付き合い下さると嬉しいです。
話の繋がりが酷い事になってますね…;
読みづらくて本当スミマセン;
感想等頂けると嬉しいですv
下さる方は拍手やメールでお願い致しますv^^
06,2,12