「あ…」
「…?どうかしたのか」








お昼を食べながら、はふと声をあげた。



今は昼休みでは環と鳳と一緒に、生徒たちが騒いで、五月蝿い食堂に来ていた。

そんな中では、注文したA定食を食べながら声を出したのだ。



何かを思い出したかのように



突然声を発したに、目を丸くさせた環は言った。

鳳も意外そうな顔でを見ている。








?」








第一声を発した後から何も言わなくなったを、今度は怪訝な顔で二人は見た。



それから暫く経ち、環と鳳がお昼を食べ終えた頃、ようやくが口を開いた。








「そういえば、そろそろ研修旅行の時期だね。」
「おお!そうであったな!!」
「それでさ、何でも今年は生徒たちから旅行先の希望を取るんだって」
「あぁ…そういえば理事長がそんな事仰ってたな」
「で、環と鏡夜は何処にするの?やっぱり海外?」








話しながら途中だった定食を再び食べ始める。

食器を片しながら、鳳と環はに顔を向けた。








「しかし、研修旅行はまだ先の話だろう?」
「…確か、俺に記憶によると研修旅行はまだ2ヶ月以上先の話のはずだ。」
「うん、まぁ…そうなんだけど…」








「ご馳走様」と呟くように言って、は食器を片した。

そして続ける。








「鏡夜たちは楽しみじゃないの?」








は片した食器を持ち上げ席立って、歩き出した。

に続くようにして環と鳳も席を立った。



食器を指定の位置に置いて食堂を後にした。



廊下に出た後も会話は続いた。








「それは、楽しみに決まっているだろう!少なくとも俺は楽しみだぞ!行き先次第だけどな」
「環…」








そう言って、一瞬悲しそうな顔をした後、ニカッと環は笑った。

その表情に隠れた環の気持ちを知っているは、胸を痛めた。





こんな話やっぱりするんじゃなかった、と








「こーら、なんて顔してるんだよ。俺は平気だから…有難う。」
「環…」








は泣きそうになる自分の感情を必死に抑えた。





これ以上環に悲しい顔をさせたくないから





そんな二人の様子を鳳は静かに見守っていた。



下を向いたの頭を、環は優しく撫でた。

その掌から伝わる優しい温もりに、はまた泣きそうになった。

必死に唇を噛みしめて耐える。

その様子がわかったのか、環は鳳と顔を見合わせて笑みを浮かべた。








。」
「?」








ふと、名前を呼ばれては顔をあげた。

あげた瞬間見えたのは、優しい笑顔を浮かべた環と鳳の顔だった。








「有難う、。心配してくれて。でも俺は本当に大丈夫だから。」
「環…」
「もし、本当に駄目で堪えられなくなったその時には…」








そこで環は一旦言葉を切った。

そしてしっかりとを正面から見つめて言った。








「その時には…、お前にちゃんと言うから。だから安心しろ。な?」
「………うん。わかった」
「よし。…だから
「ん…?」
「泣くなって」
「なっ…?!だ、誰か泣くって?!」
「よしよし。それだけ元気なら大丈夫だな。」








そう言って、ニッコリ笑った環にはやられた、と思った。

鳳に目をやると、鳳も笑っていた。

笑っている二人に対して、複雑な顔をしていただったが、直ぐにその表情は無くなった。

仕方ないな、とでもいうようには笑った。

そんなを見た環と鳳は顔を合わせて、再び笑った。








「さて、いつまでも廊下で話しても仕方ないし」
「そうだな。それにそろそろ予鈴もなるだろうしな」
「じゃあ教室戻ろう!」








いつの間にか立ち止まって話していた三人。



顔を見合わせてクスリ…と笑うと、三人一緒に歩き出した。








「今日の部活はどうするの?」
「そうだなー…派手にやりたいな、俺は!!」
「…そんな時間が何処にあるんだ?環。今から準備したとしても、簡単な事しか出来ないぞ。」
「あはは。それもそうだね。じゃあ今日はいつも通りにするしかないんじゃない?」
「えぇ!?じゃあ俺の案は?」
「それはまた今度にしようよ。ね、鏡夜」
「そうだな。の言う通り、来週辺りにでもするか。環もそれでいいな?」
「う〜…がそう言うなら……」








廊下を歩きながら、部の話に花を咲かせる。

は環と鳳の後ろから二人を見つめ、微笑んだ。







この関係がいつまでも続きますように、と



心の中で願いながら……

 

 

 

FIN

 

***************

お…恐れ多くも相互リンクして頂いたので、御礼にと書かせて頂きました…っ!!
なんというか…夢を…しかも男主をお送りするのは初めてなので……
ヤバイ…相当あがっています……(汗)
つか、話まとまってねぇし!!(爆)

こんなん送りつけてしまってスミマセン;;
これから末永く宜しくして下さると嬉しいです!

07,9,12